複数のマイクロフォンを用いた音源位置推定

 音源位置を推定する音源定位の技術は、人物・動物・工作機械のモニタリングといった分野での利用が期待され、さまざまな研究がなされてきています。当研究室では、オフィスでの空調・照明設備の効率化や、音声UIへの利用、商業施設での顧客の動線データの収集を目的として、人物の発する音声のうち「歩行音」と「発話音声」に着目し、複数のマイクロフォンを用いて屋内の人物位置を推定する技術について研究しています。 この音源位置推定技術には、分散型マイクロフォンアレイへの音の到来時間差(TDOA: Time Difference Of Arrival) を利用しています。

Fig.1 音波到来時間差Fig.2 双曲線と位置推定

 ある音波を2つのマイクロフォンで計測したとき、取得された信号のペアの間には音波の到来にかかる時間差が生じます。この時間差についての幾何学的な関係から、音源が存在する候補となる「1本の双曲線」を推定することができます。この双曲線はマイクロフォンペアの数だけ引くことができ、それら双曲線の交点位置を音源位置と推定することができます。現在当研究室では、位置推定の高精度化や計算コストをより減少させること目指しています。

歩行者の位置推定(動画)

移動発話者の位置推定(動画)

発話者の位置推定(動画)